先に結論を書きます。
プロンプトとは、ChatGPTやGeminiなどのAIに渡す「頼みごとの文章」のこと。
同じAIでも、頼み方しだいで返ってくる答えが大きく変わります。
このサイトでは、プロンプトのことを「指示文」と呼んでいます。この記事でも、ここから先は「指示文」と書きます。
このあと、なぜ頼み方で答えが変わるのか、そして良い指示文に入れる5つのことを、悪い例・良い例で紹介します。
指示文とは:AIの入力欄に書く文章のこと
ChatGPTやGeminiを開くと、画面の下に文字を入力する欄があります。そこに書いて送る文章が、指示文です。
「こんにちは」の1行でも、何十行もある長い文章でも、AIに渡すものはすべて指示文です。特別な書き方の決まりがあるわけではありません。ふだんの日本語で書けば、AIはちゃんと読んでくれます。
ただし、何をどこまで書くかで、返ってくる答えの質がまったく変わります。ここが、AIを使いこなせるかどうかの分かれ目です。
なぜ、頼み方で答えが変わるのか
AIは、書かれていないことを、想像で埋めて答えます。
職場に来たばかりの新人さんに、「これ、いい感じにしておいて」とだけ頼む場面を想像してみてください。新人さんは、だれに向けたものか、どのくらいの長さか、何に気をつければいいのかがわかりません。がんばって作ってくれても、こちらが思っていたものとは違うものが出てくるはずです。
AIも同じです。AIはとても物知りな新人さんのようなものですが、あなたの職場の事情や、頭の中にある「完成のイメージ」は知りません。伝えていないことは、よくある一般的な答えで埋めるしかないのです。
その結果、「なんだか違う」「うちの職場では使えない」答えが返ってきて、何度も頼み直すことになります。
頼み方の、悪い例と良い例
たとえば、店舗のスタッフに棚卸しのお知らせを出したいとします。
棚卸しのお知らせを、いい感じに作ってください。
これでもお知らせの文は出てきます。ただ、日にちや集合時間は空欄のままか、AIが適当に決めたものになります。だれに向けた文か、どのくらいの長さかもわからないので、かたすぎたり長すぎたりして、結局は自分で書き直すことになりがちです。
# 役割 あなたは、小売店の店長の文章づくりを手伝うアシスタントです。 # 目的 店舗のスタッフに、来週の棚卸しのお知らせを出したい # 前提 - 読む人:パート・アルバイトを含む店舗のスタッフ全員 - 日時:10月20日(火)閉店後の21時から23時ごろまで - 出す場所:休憩室の掲示板と、スタッフのグループチャット # 条件 - やさしい言葉で、ていねいすぎない書き方にする - 持ち物(動きやすい服装)と、参加できない人の連絡先を必ず入れる - 300字以内にまとめる # 出力の形 - 掲示板用の文と、チャット用の短い文の2つを出す 足りない情報があれば、書く前に質問してください。
このように、だれとして・何のために・どんな状況で・何に気をつけて・どんな形で答えてほしいかを分けて書くと、AIが想像で埋める部分がなくなります。1回目から、そのまま使える答えが返ってきやすくなります。
良い指示文に入れる5つのこと
上の良い例は、次の5つでできています。毎回すべてを完ぺきに書く必要はありませんが、思った答えが返ってこないときは、どれかが足りていないことがほとんどです。
- 役割:AIに「だれとして」答えてほしいか。例:「熟練のエンジニアとして」「店長の文章づくりを手伝うアシスタントとして」。役割を決めると、答えの詳しさや言葉づかいがそろいます。
- 目的:何のために、最終的に何がほしいのか。
- 前提:今の状況や、使っている道具、読む人など。AIが知らない「あなたの職場の事情」です。
- 条件:守ってほしいこと。長さ、言葉づかい、必ず入れること、やってはいけないこと。
- 出力の形:箇条書き、表、手順、文の数など、どんな形で返してほしいか。
さらに、最後に「足りない情報があれば、書く前に質問してください」と1行足しておくのがおすすめです。AIが勝手に想像で埋めるかわりに、聞き返してくれるようになります。
個人名やお客さまの情報、社外秘の数字は、指示文に入れないようにしましょう。「スタッフAさん」「店舗A」「売上の列」のように置き換えても、AIはきちんと答えてくれます。
わたしの場合
わたしも最初は、AIに「イイ感じにして」のような、ざっくりした頼み方をしていました。返ってくる答えは悪くないけれど、どこか自分の求めているものと違う。そのたびに付け足しや頼み直しをしていました。
変わったのは、このサイトの指示文のように、AIの役割(だれとして答えるか)や、守ってほしい条件を細かく書くようにしてからです。最初に少しだけ手間をかけて書くと、短い時間で、求めているものがそのまま出てくるようになりました。頼み直しが減るので、結果的にいちばんの近道でした。
業務の自動化を頼むときも、同じです
この考え方は、文章づくりだけでなく、スプレッドシートの関数や、GAS(ガス:Googleのサービスを自動で動かす仕組み)のコードをAIに書いてもらうときにも、そのまま使えます。
むしろ、コードのほうが「想像で埋められる」と困ります。表の列の位置や、動かす時間をAIが勝手に決めると、動いても欲しい結果と違ったり、エラーで止まったりするからです。具体的な頼み方は、「スプレッドシートの集計を、毎朝メールで届けてもらう方法」で、悪い例・良い例を使って紹介しています。
とはいえ、毎回5つのことを自分で書くのは大変です。たのみかたナビなら、やりたいことを選んでいくだけで、役割・目的・前提・条件・出力の形がそろった指示文が完成します。最後の「足りない情報は、書く前に質問する」も、自動で入ります。
まとめ
- プロンプト(このサイトでは「指示文」)は、AIに渡す頼みごとの文章のこと
- AIは書かれていないことを想像で埋めるので、「いい感じに」では思った答えになりにくい
- 役割・目的・前提・条件・出力の形の5つを書き、「足りない情報は質問して」と添える
- 最初に少し手間をかけるほうが、頼み直しが減って早く終わる