わたしの職場では、ふだんの連絡はGoogleチャットが中心です。ところが、社内のワークフロー申請など、一部のお知らせだけはメールで届きます。メールはあまり開かないため、大事な申請の確認がつい遅れてしまうことがありました。
そこで作ったのが、Gmailに決まった件名のメールが届いたら、Googleチャットに知らせる仕組みです。この記事では、その考え方と作り方を紹介します。コードはAIに書いてもらうので、自分で書く必要はありません。
GASそのものが初めての方は、先に「GAS(ガス)ってなに?」を読むとわかりやすくなります。
しくみの流れ
ポイントは、GASが数分おきに自動でGmailを確かめることです。メールが届いた瞬間ではなく、次に確かめたタイミングで知らせが届きます。10分おきなら、遅くても10分ほどで気づけます。
始める前に確かめること
- 会社のGoogleアカウント(Google Workspace)であること:Googleチャットのスペースに外から投稿する仕組み(Webhook/ウェブフック)は、会社のアカウントで使う機能です。個人のGmailでは使えません。
- 管理者の設定でWebhookが使えること:会社によっては、管理者の設定で止められています。スペースのメニューにWebhookの項目が出ない場合は、社内の管理者に相談してください。
- 知らせたいメールの見分け方:件名に必ず入る言葉(例:「【申請】」「承認依頼」)や、決まった差出人を確認しておきます。
AIに頼む前に、決めておく4つのこと
- どのメールを知らせるか:件名に入る言葉、または差出人。「件名に『承認依頼』が入ったメール」のように1通りに決めます。
- どのスペースに知らせるか:自分だけのスペースか、チームのスペースか。
- 何を知らせるか:件名と差出人だけで十分なことが多いです。本文まで流すと、チャットに見せたくない内容が混ざることがあります。
- 何分おきに確かめるか:5分・10分・15分など。短くするほど早く気づけますが、1日に動ける時間の上限に近づきます。迷ったら10分がおすすめです。
もう1つ大事なのが、同じメールを二度知らせないことです。知らせたメールにGmailのラベル(例:「通知済み」)を付けておき、次からはラベルの付いていないメールだけを確かめるようにします。これもAIへの頼み方に入れておきます。
頼み方の、悪い例と良い例
Gmailにメールが来たらGoogleチャットに通知するGASを書いてください。
これでは、どのメールを知らせるのかがわかりません。すべてのメールが流れてきたり、同じメールが何度も届いたりします。
# 目的 Gmailに決まった件名のメールが届いたら、Googleチャットのスペースに知らせたい # 業務の詳細 - 知らせるメール:件名に「承認依頼」が入ったメール - 知らせる先:Googleチャットのスペース(Webhookで投稿) - 知らせる内容:件名・差出人・受信日時(本文は入れない) - 確かめる間隔:10分おき # コードの条件 - 知らせたメールには「通知済み」のラベルを付け、二度知らせない - WebhookのURLはコードに直接書かず、スクリプト プロパティに保存する - 自動で動いたときにエラーが起きたら、自分にメールで知らせる
たのみかたナビなら、「チャット・LINE」→「条件に合ったら知らせる」→ 元のデータ「Gmail」→ 届け先「Googleチャット」と選んでいくだけで、こうした指示文ができあがります。二度知らせない仕組みや、Webhookの準備の手順も指示文に入ります。
動かすまでの流れ
- WebhookのURLを用意する:Googleチャットで知らせたいスペースを開き、上のスペース名を押して「アプリと統合」→「Webhook を追加」から作ります。表示されたURLをコピーしておきます。
- AIにコードを書いてもらう:上の「良い例」のように頼みます。
- Apps Scriptに貼り付ける:script.google.com で新しいプロジェクトを作り、AIのコードを貼り付けて保存します。
- WebhookのURLを保存する:AIの説明に従って、「プロジェクトの設定」のスクリプト プロパティにURLを入れます。
- まずはテストで動かす:自分あてに、決まった件名のメールを1通送り、本体の関数を「実行」します。最初は承認の画面が出ます。
- 自動で動かす設定をする:AIのコードにある、トリガーを作る関数(例:setupTrigger)を1回だけ実行します。
気をつけること
WebhookのURLは、パスワードと同じ
このURLを知っている人は、だれでもそのスペースに投稿できてしまいます。コードの中に直接書いたり、人に見せたりしないようにしましょう。もし漏れたときは、スペースの設定からそのWebhookを削除して作り直します。
見せたくない内容をチャットに流さない
チームのスペースに知らせる場合は、そこにいる全員が内容を見ます。本文やお客様の名前は入れず、件名と差出人だけにしておくと安心です。
作った人のアカウントで動く
自動で動く設定は、設定した人のGmailを確かめます。異動や退職のときは、引き継ぎが必要です。
まとめ
- メールを見逃しがちなら、GASでGoogleチャットに知らせる仕組みが作れる
- 頼む前に「どのメールを・どこに・何を・何分おきに」を決める
- 知らせたメールにはラベルを付けて、二度知らせないようにする
- WebhookのURLはパスワードと同じように扱う